ユーザー中古車新規登録

ユーザー中古車新規登録に挑戦しましたのでその顛末記を報告します。皆さんの挑戦の参考になれば幸いです。また、不備な点や誤りがあれば、コメントをお願いします。この車は、1997年7月に抹消登録されていて、群馬県高崎市の中古車屋で個人売買のような形で購入し、自宅(群馬県邑楽郡)まで回送し、自分で車検を通すための整備(といってもオイルの滲みを洗い流す程度ですが)を行い、前橋陸運支局で1998年2月6日に中古車新規登録を行いました。以下、9ステップに分けてあります。


登録に出かける朝。
仮ナンバーを付け,必要書類
を並べてみました。

施封後,全ての手続きが終わって,ホッ。
まだ,ライトに覆いが。

  1. 車を回送するための準備

    購入契約ができたら、抹消登録証明書と譲渡証明書をもらいます。抹消登録証明書はとりあえずそのコピーでもかまいません。譲渡証明書には売り主の実印が押されていますので確認して下さい。実印のみで記入欄が空欄でも後で抹消登録証明書の所有者名を参照しながら自分で記入すればよいので心配ありません。

  2. 自動車損害賠償責任保険の加入

    仮ナンバーを借りるためには自動車損害賠償責任保険(自賠責)に加入しておく必要があります。これは、どこの保険屋さんでも手続きしてくれます。私の場合には、任意保険の代理店にお願いしました。ここで、1カ月以内に中古車新規登録する場合には、25カ月を、とりあえず回送する場合には、1カ月を契約するとよいでしょう。25カ月としたのは、中古車新規登録の時点で保険が24カ月分ある必要があるからです。

  3. 任意保険の加入

    任意保険にも加入しておきたい場合には、車台番号だけでも加入できますので抹消登録証明書を保険屋さんに送るとよいでしょう。

  4. 仮ナンバーを借りるのと印鑑証明を取る

    抹消登録証明書(コピー可)と自賠責証明書と三文判を持って市町村役場に行って仮ナンバーを借ります。料金は750円でした。私のところの役所では5日間借りられましたが、3日間のところもあるようです。書類には、目的と経路を記入します。また、ついでに印鑑証明を取っておくとよいでしょう。

    私の場合には、車の回送と登録との計2回借りました。

  5. 車の回送

    仮ナンバーを持って購入する車のところへ行き、ナンバーを取り付けます。この時にもらってくる書類は、抹消登録証明書(本物)と譲渡証明書です。定期点検整備記録簿もあれば嬉しい。任意保険に未加入の場合には、くれぐれも運転に注意してください。

  6. 車の点検・整備

    車検を通すための点検・整備を自分であるいは修理工場で行います。古い車の場合には、オイル漏れとダストブーツの破れを特にチェックして下さい。法改正で「前車検、後整備」でも良くなりましたので、車検場では定期点検整備記録簿の提示は求められないと思います。多分?!もし、提示を求められたら「前車検、後整備の予定です。この後、修理工場に直行すます。」と強く主張したら如何ですか。

  7. 車庫証明の申請

    自動車保管場所証明書(車庫証明)を申請します。これは地元の警察署で用紙(30円)を購入して記入します。自分名義の土地を車庫とするならその場で記入して申請できますので2度手間になりませんが、賃貸駐車場や親名義の土地の場合には承諾書が必要ですのでまた来る必要があります。手数料として2500円がかかり、3~7日で発行されます。

  8. ユーザー車検の予約

    陸運支局へ中古車新規登録のための車検の予約を行います。通常1週間~5日前から受け付けています。車検だけですとどこの陸運支局でもいいのですが、新規登録ですので自分の所轄の陸運支局となります。予約する場合には、「ユーザー車検の予約をお願いします。希望する日は○日の午前です。また、中古車新規登録となりますので、車台番号は○○○○○です。」という具合です。すると予約番号を告げられますので、記入しておきます。

  9. 中古車新規登録当日

    ユーザー車検の手続きについては数々の本に書いてありますのでそれを参考にして下さい。ここでは、中古車新規登録の方法についてのみ述べます。

    1. 持参する書類の確認

      二度手間にならないように書類を確認します。

      • 抹消登録証明書
      • 譲渡証明書
      • 自動車損害賠償責任保険証明書
      • 自動車保管場所証明書
      • 印鑑証明書(自分のものであって売り主のものではありません)
      • 実印と認印
      • 諸費用(重量税、自動車税、手数料等)
    2. 諸書類の購入

      陸運支局の敷地内には主に陸運支局そのものと自動車税事務所と車検検査ラインとがあります。まず、見当を付けてどれかの建物に入って「新規登録の書類はどこで買えますか?」と聞いてみて下さい。

      ここでのユーザーとしての心得は「分からなければすぐに聞くこと。」です。書類に不備があれば、係官が丁寧に教えてくれます。次はどこへ行けばよいかも必ず聞いて下さい。ここでは、迷える子羊を演じて下さい。これが鉄則です。

      書類を買うところへ行ったら、「中古車新規登録の書類を一式下さい。」と言って下さい。なお、抹消登録後5年以内か5年を過ぎているかでOCRシートが異なりますので、それも告げて下さい。代金は30円でしょう。

      次の用紙が渡されるでしょう。

      • OCRシート
        • (第1号様式)抹消登録後5年を過ぎている場合
        • (第2号様式)抹消登録後5年以内の場合
      • 自動車検査票
      • 手数料納付書
      • 自動車税・取得税申告書
      • 自動車重量税納付書
      • 施封(自動車登録番号標)通知

      これらの書類(施封通知以外)に記入します。記入方法はどこかに掲示がありますので聞いて下さい。面倒な場合には、近所にある代書屋に駆け込みましょう。手数料は3000円位です。

    3. 手数料、自動車重量税の支払い

      検査手数料と自動車重量税の印紙を購入します。たぶん、その隣の窓口でしょう。

    4. ユーザー車検窓口へ提出

      整った書類をバインダーに挟んで陸運支局のユーザー車検受付窓口へ提出します。書類の不備があれば、返されますのでその場で記入して再提出します。

    5. 車検のラインへ

      受付が済めば、自動車検査票を一番上に挟んで、車検のラインへ並びます。ここで、後ろの車に「ユーザー車検なので戸惑うかも知れませんと一言声を掛けておくと良いでしょう。

    6. ユーザー車検窓口へ報告

      無事合格したら、再度、車検窓口(別の窓口かもしれません)へ行って、書類を提出します。しばらく待っていると隣の窓口から名前を呼ばれます。ここで新しい車検証が交付され、ナンバーが決まります。

    7. 自動車税納付

      自動車税事務所(たぶん別の建物)で自動車税を支払います。(3月登録の場合はただです。)私は、この段階で支払いましたが、始めにまとめて、証紙を購入しておくと手間が省けるようです。

    8. ナンバープレートを買う

      施封(自動車登録番号標)通知に登録番号(ナンバー)を記入して、窓口に提出すると、「ナンバープレートを買って下さい」と言われますので、ナンバー交付所でナンバープレート、封印のナットのようなもの、ステッカーを購入します。代金は1520円でした。ナンバー取り付け用の新しいボルトも貰っておくといいかもしれません。この段階で、車検証は事務所側で預かってしまうので手元のバインダーにはありません。

    9. 施封

      早速、仮ナンバーを外して、新しい真っ白のナンバープレートを自分で取り付けます。この際に、後ろのナンバープレート左のボルトには、封印のナットのようなものを忘れずに取り付けます。次に、構内の一角に施封所なる所に車を移動すると、係官が寄ってきますので、エンジンフードを開けて車台番号を示します。車検証と番号の一致を確認すると、ナンバープレートのボルトが施封されます。最後に車検証が手渡され、無事完了します。車検証と同じに印刷された白い通知書がありますが、これは特にはいらないそうです。

    10. ステッカー張付

      フロントガラスに張付けてある古いステッカーを剥がし、新しいステッカーを貼り付けます。ステッカーを剥がすには、ティッシュペーパーに水を染み込ませ、ステッカーに貼り付けて置き、糊が溶けた頃に爪や棒などで剥がすのがコツです。私の場合には、アイスクリームを食べながらやりましたので、その柄を使って剥がしました。

以上、出来るだけ詳しく解説しましたが、不備な点がありましたら補足をお願いします。最後に、コツをまとめておきます。

  • 二度手間にならないように書類を確認すること。不安ならば陸運支局を下見して書類を購入しておくと良いでしょう。(これでは、二度手間か?!)特に、ユーザー車検が始めての場合にはラインの下見は欠かせません。
  • プロの業者に混じってド素人がしかも初体験で行うのですから、分からなくて当たり前です。書類の記入方法や次に行くべき所はどんどん聞くことです。間違ってもつなぎなど着ていってはダメです。あくまでユーザーであることを装うことです。
  • 車検のラインでは、焦らないこと。分からなければ、後ろの人に聞いてみること。そのために事前に挨拶を忘れずに。私も妻と妹の車のユーザー車検を昨年行いましたが、始めての時が一番うまく行きました。二回目以降は、慣れたせいかラインを行き過ぎたりの失敗を重ねました。でも、一発で合格しましたので皆さんも安心して下さい。
  • 陸運支局の周辺には予備車検場(いわゆるテスター屋)がありますので、ここで事前に調整をお願いすると良いでしょう。特に、光軸の調整は欠かせません。料金はユーザーの場合には、5000円程度です。(業者の場合には、2000円程度)
  • 私の場合には、個人売買に近い形式での現状販売でしたので、仮ナンバーを役所で借りるなど面倒な方法でした。しかし、一般的には、車検整備後の販売でしょうから、この場合には、この中古車屋の仮ナンバーを借りて、その足で陸運支局へ向かうのが効率的でしょう。
参考文献
平石 賢著 「自分でできる車の諸手続き」大泉書店、1000円
平田 茂著 FCAR便利帳「ユーザー車検」Niftyserve FICARN Lib 1 No.4